切り取る

(この写真は読者のひじきの煮物さん@hijiki_5の投稿写真です。↓ここから投稿者の文章です)

2017.0529 E-PL6+45mmF1.8

持っているレンズの中で最初に買った25mmF1.8は稼働率が高い一方、現状最後に買った45mmF1.8は稼働率が低いです。
まだミラーレス一眼に切り替えた2014年は鉄道への志向が強かったので、広角よりも望遠に傾倒していました。鉄道写真では望遠はあればあるだけ良いので。
またオリンパスのプレミアムシリーズ(F1.8)のなかで、最高峰の75mmF1.8に憧れがあったものの高嶺の花で、何とか手が出るレンズが45mmF1.8でした。

しかしながら買ったは良いものの、どのように活かすか。これが難しかったですね。25mmの中庸さに比べてライカ判換算90mmの中望遠は難しいです。
公式サイトでは「ポートレート向き」であるように解説が為されており、基本的に無機物を撮ることが大半な私とは正反対だった部分もあります。陸上長距離のロードレースを年に1度撮れば良い方です。

それでも毎年1度か2度
「今月は45mmと向き合ってみよう」
と思う瞬間があり、2017年の5月もビジネスバッグに忍ばせて都会を歩いていました。
45mmF1.8にはケチってフードをつけていないので、それが逆にコンパクトになるので、そこは好みであります。小っこいのに惹かれるところがあります。

さてはて何枚か撮った中では、この渋谷駅界隈で撮影した写真が個人的には好みです。
白が基調の東急東横百貨店南館の不揃いな窓枠、地域の象徴たる「東急」のエンブレム。
忘れかけていて記憶も曖昧ですが、当時も「ぴん」ときて撮ったのだと思います。また東口の再開発を学生以来見てきたところもあり、
「西口も工事が始まっている。次いつ来るかわからないから、ここで撮っておこう」
とシャッターを押したのかもしれません。
かつて居住地の近所に幾つかモダンな建築物があったのですが、それらが解体されてから
「ああっ!撮っておけば良かった!」
と後悔して、それから折に触れてメモリーをケチらないようにシャッターを押すようになりました。
特にコルビュジエの影響を受けたとも囁かれる御茶ノ水駅の聖橋口は、それなりに通いました。

この東急東横百貨店南館も2020年に閉店し、現在は解体の最中で、それでもこの特徴的なデザインは2024年4月21日現在、一部残存しているようです。
この南館はコルビュジエに学んだ坂倉準三最晩年の作品とも言われるようで、今思えば良くぞシャッターを押したと思います。書きながら初めて知りました。坂倉準三の作品自体はルーツの街の庁舎等で馴染みがあります。やはり縁とゆかりというか、遺伝子的な共鳴があったとも言いましょうか。

さて建築物を撮る上では概ね広角よりが用いられるのですが、建築物に対しての中望遠レンズは、写真のように大胆に思い切って切り取れるのが良いですね。
またこうした大胆な建造物スナップをやってみたいです。

↓業務連絡
他に2枚あるのですが1枚しか送れないようなので、厳選しました。

———-(ここからせろりんのコメントです)———-

光と影のコントラストが印象的ないい写真ですね~。建物の写真ってなんか全身を広角で取りたくなってしまうところではあるんですが、こうやって望遠でバンと一部を抜き出すのも素敵な使い方ですね。90mmくらいの焦点距離っておれはマジで何に使っていいのかわからなくて、一生100mmの単焦点レンズを持て余しているところではあるんですが、こんな使い方もいいなーと思いました。

(写真が何枚かある場合はフォームで何回か送信していただければ対応できます)

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