夕闇の高尾山

(この写真は読者の大文字@nito_chaさんの投稿写真です。↓ここから投稿者の文章です)

高尾山頂からケーブルカー乗り場まで下る際に撮りました。時系列に並べてあります。
山頂に着いた時点で周囲はかなり暗くなってきていて、展望台からは遠くの街がぽつりぽつりと光るように見えるほどでした。さらに少し前から小ぶりですが雨も降りだしてきていて、とても徒歩では下山したくなかったため、30分後に迫ったケーブルカーの終電に間に合うかどうかハラハラしながら歩きだしました。(実はこれは勘違いで、実際にはその15分後の車両が終電でした)
思っていたよりも急激に暗くなり、また他に人が誰もいなくなった状況で、かなり怖いなと感じながら歩いていました。しかし、これはこれで得難い体験だと思い、(キネこんに投稿して怖い気持ちを共有したいという考えもあって)何度かスマホを構えました。iPhoneのナイトモードで撮影したので、ボタンを押してからシャッターが切られるまで3秒ほどその場で動かずに待つ必要があって、暗い中を立ち止まっている緊張と、何か映ってはいけないものが撮れてしまうのではという恐怖と、ケーブルカーに遅れるかもしれないという焦りでなかなかにヒヤヒヤしました。

後で実際に撮れた写真を見返してみると、自分の目で見た景色とはだいぶ異なった印象になってしまっていました。怖い気持ちを共有したいという目論見があったので残念でしたが、どうにかならないかいろいろと編集で弄ったり考えたりしているうちに、そもそも写真というものが目に映るそのままを記録出来るものではないんだな、ということに気が付きました。それからは吹っ切れて、僕の感じた怖さを表現できるように、見たままではない写真を編集しました。
4枚目と5枚目は撮れたままを投稿しています。6枚目はケーブルカーの駅に着いてからの写真なので安心して撮っています。

iPhone12

――(ここからせろりんのコメントです)――

オ~、メッチャいいですね!登山していてうっかり暗くなってしまったときの不安な気持ちを克明に表現しています。山頂のあたりからケーブルカーまでの道程が順番に写っていて、暗くなっていくにつれて写真がおどろおどろしくなっていって、ケーブルカー駅が近づくとメンタルを取り戻して明るくなるのも臨場感があっておもしろいです。

人間って目から送られてくる映像を脳が勝手に編集しているらしくて、重要な情報を強調して意識に伝えていたりメンタルの影響で見え方が変わったりするので、こういう極限な状況で見た映像ってカメラで撮ろうとしても絶対再現できないんですよね。でもまあ、鑑賞する側も経験を元に脳が勝手に編集するので、べつに見たままの写真にしなくてもどうにか伝わるんですよね。

大文字さんの過去作はこちら!

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